現代スポーツはビジネスと切り離して考えられない。それは世界を目指せば不可分だ。
それを嘆く声も、それによる繁栄の享受の状態もある。
五輪の商業路線が動き出すのは1984年のロス五輪。
この五輪はそれまでの「税金を投入しても赤字」の状況を打破すべく、放映権料や契約の見直し等を図り「1セントも赤字補填を税金でしない五輪」として大成功を納めた。
そして、ロス五輪が大規模な政治ボイコットがあった最後の五輪となる。東西冷戦の終結があった点はあるが、同時に同大会が巨大なマーケットになった事が大きい。
ビジネスマーケット化した五輪をボイコットをすれば自国の企業にどれだけの損失が出るか判らない。
多分これから先、五輪ボイコットを大々的に行う国はそう出ないだろう。
今回騒ぎとなった聖火リレーも協賛企業からリレー分込みでスポンサー料が払われている。
リレー走者も選手は自分もしくは協会かJOCが契約するスポンサー関係で、芸能人は協賛企業が企業枠として選定、代価を支払って走らせるようになっている。当然、巨額の金銭が動いているから直前にボイコットを訴えても時既に遅し・・なのだ。
支払った金は戻らないし、その損失を穴埋めなんてしたくないから。
そしてスピード社の水着問題。
1
アシックス、デサント、ミズノの国内3社と水連が12年の契約を結ぶ。
3社側:水着用品提供と年間数百万の寄付。
水連:水連所属の選手は3社いずれかの水着着用義務。
2
英国のスピード社の水着を着けた選手が世界記録連発。
3
特例的にスピード社の水着を着けた日本選手達の記録ラッシュ。
4
結果と世論を受けて水着のオープン(自由)化を決定。
国内3社は水連に対して違約金も求めない。
協会とメーカーが契約を結んでいるケースは多い。
例えばサッカーはアディダスと契約を結んでいるが、選手にとって一番大事なシューズは各人の自由に任せている(たまに例外はあるけどね)。陸連もミズノと契約を結んでいるけど、シューズは各人の自由。
水泳は水着以外に身に着けない。僅かな抵抗を考えて背中の毛を試合前に剃ってまで挑む競技なのだから当然だ。
結果PRに使えるのは水着だけとなる。なのに他競技では各人の自由に任せる「最も大事な部分」を協会が統制しているのは問題だと思う。
メーカーが金を払い、水着を提供するのは夢を託すとか技術への挑戦といった面はあるのだろうが、同時に自社の宣伝の為だ。提供を受ける側は宣伝に協力する見返りに金銭や道具を得る。
そういうビジネスだ。
今回の五輪にスピード社の水着を着て出場する選手が五輪後に「ミズノが1番」とCMで言っても説得力は0だ。
勿論、世論を睨んで柔軟な対応をしたメーカーの心意気は素晴らしいが言うべき事は言わないと単に「良い人」で終る。
五輪は国の威信が掛かっているんだから、国内3社の行為は当然と言う人もいるかもしれないが、国の威信をこういう時だけ選手に背負わせるのなら、普段の五輪以外の3年間も国が金を出して援助すべきだと思う。
少し話が逸れるが
「クルム伊達」がテニス界に復帰しての「久見香奈恵」と言う選手のコメントが印象深い。
彼女は日本ランキングで30位前後の21歳の前途ある女子選手だ。その選手がクルム伊達とダブルスで対戦して敗れた後の会見で
「現在、スポンサーを探しています。皆さん(メディア)のお力を借りて、スポンサーを見つけたいと思いますので、よろしくお願い致します」と発言した。日本で30番目くらいにテニスが上手い21の女子選手がテニスに打ち込めない環境だというのは中々凄くないか?
アスリートにも人としての生活がある。そこでスポーツに打ち込めるように専属契約はある。
トップアスリートならそんな専属契約無しでも食べていけるかもしれない。しかし、トップが契約を軽く扱えば企業はスポーツから離れる。それは下に皺寄せが行く。将来のトップ候補が潰される事だと思う。だからこそ契約はしっかり履行すべきだし、特別の事情が出た場合は「じゃぁ、次はどうするか?」をしっかり話し合って誠意を見せないといけない。
今回の水着問題で言えば水連はスイマーにとって唯一無比の道具である水着に対しては徹底的にあらゆる状況を想定して契約をするべきだったし、個人契約を結んでいる選手も同様だと思う。海外の選手でもスピード社以外と契約している選手はいるが、大抵「明らかに早い水着が出てきた場合は、そちらを着用する事もある」との例外条項が存在している。
その程度の例外規定は準備しておくべきだったと思う。
水連は誠意を込めてメーカーに謝罪し、これまでの事を検証し、その上でオープン化と契約のあり方を議論するべきだ。単に「特例」で済ませてはいけない。その上でメーカー側に違約金を支払うべきだと思う。ここでメーカー側の違約金不要を受ければメーカーに「借り」を作るだけ。なぁなぁの体質の温床となる。
そして、この問題を契機にスポーツを取り巻く環境(特に金銭面)を考えて欲しい。日本は行政も企業もスポーツに対して冷淡な一方で、何かあるとすぐに利用したがる。
3年間の努力の時期は放っておいて、五輪直前になると国の威信を押し付けてあげないでほしい。
五輪に出場するトップの下にはスポットライトを浴びなくても必死に努力し、泣き、支えている大勢の人がいる。
努力を彼ら任せにしてほしくない。多分、大勢のアスリートはメダルを取った後でチヤホヤされるより、メダルを取る前の苦労をしている時や、自分の下の子達への小さな援助を喜ぶ筈だ。
長々と書きましたが、スポーツ、協会、ビジネス、スポーツ行政等さらに良い国になれますように。
まったくとり止めもない文でオチもあれですが・・もうちっと時間あればまとめ切れるんだけど、下調べに時間がかかって疲れてしまいました。だって、中々水連とメーカーの契約内容が判らんとですもん^^。
まぁ、とりあえずご清聴ありがとうございました。
追伸
大体、水連とメーカー間での金銭契約が年間数百万程度なのに驚いた。世界に誇る水泳大国の権利が数百万で売買されるって・・。それ以上にまだ古橋さんがかなりの実権握ってるのにも驚きました。
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