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2011/01/06

長崎の非常、V・ファーレンの無常②

さて、新体制が固まってきた事は前回述べた通り・・

「同じチームで戦えるのは3年」とフットボール界では言われる。つまり変革が無ければ成長は無いと言う事。変革のパターンは2つ。毎年、計画に基づいてマイナーチェンジを繰り返すか、頃合を見計らって一気にモデルチェンジを図るか・・。

本来なら、08年に東川体制になった際に選手・チーム変革は行われるべきだったのが、東さんは壊して作り直すタイプではなかったし、東さん自身も磨耗してしまっていた。チームにも変革を考える余裕が無かった。08年は昇格に失敗すればクラブ方針の転換が噂された有様だったのだから・・。

その東さんが2010年の強化部となった。
成績不振で解雇された監督が強化部というのは妙な話で、実際一部選手からも不満が出ていた。実は東さんには他チームからオファーがあり色々考えてオファーを受けるか考えあぐねていたらしい。長崎のフロントは東さんについて、一定の評価をしており、またクラブ内に強化部に適した人材が少なかった事もあり、指導者として再起の道筋を作って・・その上で他チームのオファーを受けるなり、長崎でトップを目指すなりすればと強化部の職を託す。この温情人事とクラブ組織としての稚拙さは後に別のトラブルを招く事となる。

こうして始動した体制は予想以上の滑り出しを見せた。
佐野さんのフットボールはこれまでの長崎では無かったし(方向性は東さんと近いが余り機能しなかった)、プロの雰囲気や空気がピッチに持ち込まれた。コーチ陣の存在も大きい。堺コーチがトレーニングを担当し、佐野さんは指導に集中、堺コーチの存在が佐野さんが孤立させる事も無かった。前年末に不信の念で一杯だった反動もあり、選手らは久しぶりにサッカーに純粋に打ち込み始めた。

佐野さんの目指すサッカーは草津時代はおろか・・ずっと前からベースは変わらない。攻撃サッカーだ。

佐野サッカーは攻撃の際にゴール前に出来るだけ多くの選手を配して得点を狙う。現代の攻撃サッカーではFW、MF、SBが攻撃参加するのが当然であるが、佐野さんの特徴はその中でも、SBが超攻撃的であるという事に尽きる。

その最たる形がゴール前での”密集”である。
SB・サイドハーフの攻撃参加なら岩本さんも東さんもやった。特に岩本さんは負けず劣らずのSB攻撃参加派だ。だが、岩本さんの場合はサイドに深く切れ込んでクロスを上げる事が基本形だ。これに対して佐野さんの場合は切れ込んでクロスも狙うが・・それ以上にペナルティエリアに斜めに入っていく動きを重視した。

図にするとこう。 001_2
佐野さんの場合は、よりゴールを狙い易い位置に選手が多く入る事が判ると思う。

2010年~の図を2010年のメンバーの名前に直すとこう。
002

SBの神埼とMFの山城はここでよく点線あたりでよく連携していたのを覚えている人も多いだろう。SBがそのままエリア内に切れ込んで攻撃に加わる為にゴール前で攻める人数は最大で6名になる。それは2009年までと比べて攻撃において1~2名は必ず多く、状況によっては倍になる。

数は力。攻撃の人数が多ければそのまま攻撃のチャンスが増える
この基本原理をそのまま実践したのが佐野型攻撃サッカー2010だったりする。

攻撃に人数を割けば守備の人数が減るので少ない人数で守る必要がある。
そこで佐野さんはシンプルな対策を取った。

守備で最も強固にすべき位置はどこか?ゴールまん前の中央だ。ゴール前中央が完璧な守りを行えば100%に近い確立でゴールは奪われない・・それがフットボールだったりする。
だから、佐野さんはゴール前中央をしっかり守れる人材を好んだ。

CBに1vs1に強く、球際の粘りがある・・そして相手がフィジカルにモノを言わせても当たり負けしない人材を好んで選んだ。それは自身が現役時代にそういうタイプの選手だった事も影響しているのかもしれない。その為に09年まで主力だった久留は一気にベンチ外になる事となった。

つづく

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