カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

2011/10/06

世界の書評から ~テリーマンは報われない編~

俺が読んだフットボール関連本を紹介する「世界の書評からシリーズ」。
サブタイトルは毎回適当についけているので余り気にしないでもらいたい。

まずはコレ。

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欧州サッカー批評

特集の「バルサへの挑戦状」は識者が語るバルサ攻略法を通じ、現在の最先端であるバルサを解き明かそうとする物。どれも的確に分析してるんで、結論が似ていて段々同じ文章を読んでいる気がする。「バルサを倒すにはバルサ化するしかない」とか余り続くとちょっとキツイ。

一応、バルサと違うスタイルとして、放り込みで活躍するストークシティのトリビューリュ監督のインタビュー等は面白いのだが、スウォージーやハンブルガーSV、リバプールの記事は殆どバルサと関係なく無理にくっつけた感じ。その権化が「カッサーノ」のインタビューでバルサとか殆ど無関係。「ミランが俺を変えた」と行ってる数行後にはセードルフやガットゥーゾをおっさん呼ばわりしてて何も変わってない。素敵だ、カッサーノ。

バルサ礼賛がやたらと多いけれど、欧州系好きな人はどうぞ。


続いては・・
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社長・溝畑宏の天国と地獄

圧巻な良書!推薦する!文字通り、元大分トリニータ社長である溝畑氏が大分にやってくる所から始まりトリニータを去るまでのノンフィクション。木村元彦氏の丹念な取材が光る。

官・民が支持していないのに強引に溝畑主導で作られ、20年の間に通常の会社では信じられない破綻経営を行い、ナビスコを制し、手法に賛否ありながら溝畑という巨人によって生み出されたトリニータ。0から生み出すには不可欠なエネルギーの塊のような彼が必要だった事が判ると同時に溝畑後を作らなければトリニータに未来はなかったんだろうなと思う。

ナビスコを制した際には、長崎でも大分の現状を調べようともせずに手放しで「大分に続け」「地方の星」ともてはやした人が大勢いたが・・今、彼らはその事も忘れているのだろうなぁ。そんな彼らに是非読んで欲しい。と同時に、トリニータの過去に比べれば長崎が何と周囲の理解に恵まれていたかがよく判る。

ちなみに04年の末、V・VAREN創設準備中、溝畑氏は準備委員会に招かれて講演を行っている。その頃、この本に書いてあるような状況を長崎はどれ程理解していたのだろう??

賛否両論な人物を中心に据えた為に賞的なものはないだろうが・・読んどけ!
損は絶対させない。


続いて・・
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サッカー批評

お馴染み、サッカー批評。特集は「日本はバルサを越えられるか」。

・・・またバルサか。

今のバルサは確かに歴史に残るチームであり、今、生で見ておけば10年もしない内に絶対に「良いなぁ、あれを生で見れたんだぁ」と言われるレベルなのは判るが、欧州サッカー批評と一緒に読むとちょっと・・。

それより、この号の白眉はミカミカンタ、木村元彦、海江田の3氏による記事だ。ここ最近、サッカー批評はジャーナリズム的素養が強くなっているのだが、、この3本は正にジャーナリズム炸裂!東電、Jヴィレッジ、震災・・それを全て結びつけるフットボールを丹念な取材で追う木村氏、完全に伏魔殿化しているJFAの体質や組織の矛盾点をしっかりと突き、下手なアクション小説よりドキドキするミカミ氏の田嶋専務理事へのインタビュー。日本代表でありながらヤタカラスを背負う事の出来ない代表チームを追う海江田氏の記事。

どれも、取材対象の選定と良い、しっかりと地に足のついた取材と良い、ジャーナリストとしてのポリシーと良い・・正に良記事。優れた読み物で1度読んで色々と考え・・考えてはもう1度記事を読んで考える。日本がバルサを超えるよりもっと知らなければならない事、考えなければならない事があるんだと思える良本!

そして、今回のトリはこれ!

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最近、競技場や練習場で仲良くさせて貰っているミスミさんに貰った「サッカーダイジェストワールドカップ特集本!!」。俺が最も好きな時代の3冊だ。めくるだけで憧れ続けた俺にとっての伝説が・・。ネットも海外フットボールの放送もなかった時代・・不便だったからこそ美しく、楽しく、幻想的だったフットボールがここにはある。しっかり読み込んだり、写真を眺めたり・・多分、無人島に本を持っていけるなら俺はこれらを持っていく!!

ミスミさん、ありがとう。

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2011/06/23

世界の書評から ~ヤムチャ!すぐやられたらアカン!!編~

俺が読んだ本を適当にみつくろって紹介する世界の書評からシリーズの第何弾めか??サブタイトルは第何回か判らなくなって以来、適当につけている。意味は判んないサブタイトルだ。何が何だか・・。

さて、まず最初が001
「サッカー戦術の仕組み」 by 湯浅健二

別に好きって訳じゃないけれど、この人の本は3~4冊持ってる。内容はどれも基本同じ!10年以上前から変わらない!書いている事も変わらない。タイトルも基本似ている^^;
この人の場合、もう理論体系が完成しちゃってて目新しいのが無いんだろう、時代が変るごとに具体例が最近のチームになるだけで、過去に1度でもこの人の戦術本読んだ人なら充分だと思う。

続いては
002
「サッカー戦術の歴史」 by J・ウィルソン (訳:野間けい子)

フットボールの創世記からの変換を戦術に注目しながら語る歴史書。戦術本のたぐいと言うより、歴史本に分類して言いと思う。確かに戦術に注目しているんだけど、当時のフットボール界やらそれをとりまく社会を扱っている。

土台に国際フットボールの歴史だとか背景を理解した上でないと判りにくいと思うので、ある程度、他のフットボール歴史本読んでから行くのが無難。
4000円もするし、うかつに手を出しちゃ駄目だ。


んで、ラストが003
「サッカーセットプレー戦術120」 by 清水英斗

帯にあるとおり、多分日本初のセットプレー専門書。
個人的には戦術としてのセットプレイを扱ってると思ったら、その編は序章で触れて本章はセットプレイの実技と技術の教本だった。図解などもあるのでHowTo本と言って良いと思うが、何と言うか技術の羅列を見ているような気分になってしまう。

セットプレイがサイド攻撃なんかと同じように語られるには、まだまだ戦術体系が作られてないんだろうが・・そういう本があればなぁと思ってしまった。

っとこの3冊で今回は終了。
最近、本をゆっくり読む暇がないと言うのもあるんだけど、取り上げるほどもないような本も多かったので・・。

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2010/10/28

世界の書評から ~裏切りの代償編~

俺が読んだ本を適当にみつくろって紹介する世界の書評からシリーズの第何弾めか??
サブタイトルは第何回か判らなくなって以来、適当につけている。
今回は「裏切りの代償編」だ!もう何が何だか・・。

今回、最初に紹介するのは毎度、学問やら経済やら民族・歴史などの他分野の視点を持ち込んでフットボールを様々な分野から解き明かす著作を出しているサイモン・クーパーの

「ジャパンはなぜ負けるのか」51r1xsfvs1l__ss500_W杯前に出版された為に、センセーショナルなタイトル狙いでこんな邦題をつけられてしまった可哀想な良作。本の中で著者は日本を将来性のある国で大いに期待が持てると評価しているのに・・このタイトル。ある意味で詐欺タイトルだ。

経済やらビジネスの視点でしっかりフットボールを分析しており、最近のヒット作「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」と同じ傾向本だ。かえすがえすも邦題を考えた編集者のバカさ加減が腹立たしい。

色んな意味で「あぁ、なるほど!」と思いつつ、フットボールの世界、クラブ運営者の常識がビジネスの非常識である事が理解出来る。その上でちゃんと杓子定規にビジネス理論をクラブ経営にもってこず、クラブやらフットボール用にアレンジして、しっかりデータをとってるので似たような他の本と一線を隠す。

こういった本をクラブのトップが徒然と読むようなクラブだとファンは安心だろうなぁ。
つか、フロントは自腹で買ってでも読んで欲しい。


続いての1冊は、コレ。
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「サッカーを100倍楽しむための審判入門」

純粋な審判本。ピッチでは1のボールを3つのチームだけがプレイを許される。
自チーム、相手チーム、そして審判。という訳で忘れられがちな3つ目のチーム審判についてしっかり勉強したくて買った。普段、ジャッジに良非を言う身としては常に研究したいなと思ってるから・・。

審判の歴史や審判システムなどが丁寧に書かれている。クラブから意見が出た場合の対処なども載っており、なるほどと思うことも多い。ただ、読めば読むほど、まだまだ審判に関するシステムが途上である事が判る。

著者も審判のステータスが高くない事を嘆いているが、不十分なシステムである事がステータスを押し上げない最大の理由になってるんだろうなっと。もう少し、対角線式審判法などのテクニカルな面の解説が欲しい所だが、現在の審判システムを理解するのに良い本だと思う。

第1章では過去のJの試合の審判で揉めた試合をしっかり解説しているのだが・・こういう説明を色んな所でもっとやる事は大事だと思う。



そして、おなじみ

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サッカー批評。
W杯前発売の号で日本が惨敗してしまうと警鐘を鳴らし、W杯開催中の号では他誌がW杯一色の中で惨敗後を見据えてJクラブを取り上げたサッカー批評のW杯後は・・「日本代表、W杯の検証」。

W杯以外ではJやらを無視し、W杯期間中は徹底的に取り上げW杯終了後は「W杯の活躍をJに日本サッカーにつなげていきたいですね」とかコメントしながら、その後も見事に国内サッカーをないがしろにする事が4年ごとに繰り返されるマスコミとしては珍しい検証だ。

なぜ、うまく行ったのか?
なぜ、駄目だと事前に思ったのか?

まぁ、事前にあれだけ批判したから引くに引けないと言う事情もあったろうが。まぁ、その為に問題提起などのサッカー批評らしさは少な目だったのが残念。

とりあえず、「以後、こういうのが必要だ」とか「求められる」と何かを語るマスコミがその後、どの程度それに協力してるかなど見ながら、考えながらこの本を手に取ると面白い。


そしてトリを飾るのは・・

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取り上げるのは2度目となる
第90回天皇杯全日本サッカー選手権パンフレット 1回戦・2回戦

これはある意味で「天皇」という名を冠する事もはばかられるようなヒドい出来のパンフレットだ。W杯のスケジュールの関係で各県代表チーム名すら掲載されないという・・これはパンフレットですらない。

スケジュールを設定した時点でこうなるのは判っていた筈で、それにも代わらず予算を無駄使いして作成したと言うことは確信犯的で悪質と言えるだろうし、それを定価で売るのはもうJFAの組織的問題だ。

計画された予算を使い果たさないと駄目なのだろうが・・その予算は小学生の子供のJFA登録料であり、代表選手の無理を推した活躍に感銘を受けた企業の後援料だ。そこを考えてほしい。

こんなパンフレットを作るくらいなら、その分でも4種の子供の登録料免除などをしてほしい。

俺もデュカの奢りでなければ絶対に買わなかったろう。だが、こうして問題提起出来るのだから奢ってくれたデュカには深く感謝したい。そういう意味で俺にとっては入手して良かった、ありがたい本だ。でも、みんなは買わない方が良かったろうね。

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2010/07/29

世界の書評から ~猪突猛進編~

っという訳で読んだ本系を紹介するコーナーだ。
もう何回目かサッパリ判らないので毎回「乱世群雄編」とか「輪廻転生編」とか適当なサブタイトルをつけている。今回も適当に「猪突猛進編」だ。

まずは・・

01「サッカーの敵」
フットボールに関するっと言うよりフットボールをアンダーグランドから取り巻く人々を扱った本。東西冷戦時代の「東ドイツ在住の西ドイツクラブサポーター」やら「権力者の関与するフットボールクラブ」やらが次から次と紹介されている。明るく、楽しいフットボールではなく、表に出ない・・暗く、理不尽なフットボールにまつわる本だ。
読んでると何となく暗い気分になるが・・著者のサイモン・クーパーはこういったちょっと変わった視点でフットボールを語る人だ。癖はあるけど、好きな人はどうぞ。


02

「J'sGOALの熱き挑戦」
Jリーグ公式ファンサイトJ'sGOALに関する本。今年の頭頃に、あるプロジェクトの資料として買った。本の帯の自画自賛的煽り文句はちょっとアレだし、それほど「オオッ!」とか「なるほど」という事は書いてないが、こういったファンサイトに関する本は少ないので稀少と言えば稀少。公式サイトと公式ファンサイトのコンセプトの違いなんかも書いてる。一般向けじゃないなぁ。


03
「蹴りたい言葉」&「蹴球神髄」
どちらもフットボールにまつわる名言を集めた本。蹴りたい言葉はコメントの横に注釈が入る事が多く丁寧に解説してくれる。逆に蹴球神髄は出来るだけ注釈は少なくしている。名言は基本的にその名言を言った人物や背景などを理解している方がより楽しめるので、そういったのに明るくない人は蹴りたい言葉。そうでない人は蹴球神髄をどうぞ。じっ~っと読むより、思いついた時やちょっと暇な時に手をとってパラパラっと読むのが良さげ。


04
「サッカーの見方は1日で変えられる」
プロ観戦術と書いてはあるものの、戦術本系を1度でも読んだ人なら知ってる事が大半。正直、目新しいものは何もないのだが、この本は編成の仕方が上手いと思う。
字を大きめに、
基本的な事だけを押さえ、
HOWTO本っぽいデザイン

にしており、戦術には興味あるけれど、文読むの好きくありませんって人に向いてるんじゃないかと。そんな感じの本。


そして・・今回のトリを飾るのが・・これ!

05
「メキシコの青い空」
もう3年も前に出版された本なのだけど・・最近、読み返して

再号泣!

日本が誇る最高のフットボールアナウンサー山本浩さん。恐らく日本のフットボールファンで彼をリスペクトしていない人はいないだろう。彼の20年の実況を振り返った名著。

メキシコワールドカップ予選、本選。イタリアワールドカップ予選、本選。広島アジアカップ、ドーハの悲劇、アメリカワールドカップ、アトランタ五輪、ジョホールバル、フランスワールドカップ・・。もうこれらを見てきた人のハートは確実に鷲づかみにされる。

ポイントでその試合での実況が再現されるのだが・・ジョホールバルの所で泣いた。久々に本で泣いた。本の中の実況文が当時の絵と一緒に頭の中で蘇る。実況文がちゃんと頭の中で山本浩氏の声で再生される。この素晴らしいアナウンサーの実況をダイレクトで何度も聴けた自分らの世代は本当に幸せだったと噛み締める。

V・ファーレンの試合を見ていても脳内実況したくなる。
「曲げてきた!」
聞きたいなぁ・・。

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2010/07/08

世界の書評から ~輪廻転生編~

第何弾か数えるのが判らなくなってから乱世群雄編とか電光石火編とか適当にネーミングしてきた俺が読んだフットボール本を書くだけの「世界の書評から」シリーズ!
今回のタイトルも適当に・・輪廻転生編!とする。

サッカー スカウティングリポート

01
アトランタ五輪や98年W杯でスカウティングを担当した小野剛さんの著作。戦術本ブームも一段落した中での変化球本か?タイトル通り、試合における相手チームの分析を解説。と言っても全5章中、分析のノウハウは1章にまとまっている。観戦のお供とするのは不向きな見方なので興味のある人向け。終わり2章はアトランタ五輪、フランスW杯をスカウティングした時の話になってるんで、当時の回顧本としてもどうぞ。

戦術クロニクルⅡ

02
前にここで取り上げた奴の第2弾。王道、時代を代表した戦術が中心だった前作に続いて、今回はそれらの対とも言えるややマイノリティ系戦術を取り上げている。とは言え、引いてからのカウンターといった普遍的な戦術も取り上げられているので前作より実用的?かも。ややむりやりこじつけだろう的な解説もあるし、マイナー系戦術は膨大過ぎて取り上げきれないし、ナカナカ難しい。完全な好事家向けだけど、カウンター、ロングボールといった戦術って一番身近だなぁっと感じる。

W杯ビジネス30年戦争

03
かなり前の本。中古で安くなってので何の気無しに買った。ワールドカップ招致とそれにまつわるビジネスと政治を書いた本。初な人の美しいフットボールの幻影は壊れるかもしれないが、これが現実で、こういった清濁合わせ飲むのも現実。電通、日本サッカー協会寄り目線は気になるが、ビジネス系の娯楽小説好きな人は好きだろう。1冊読めば充分だと思う。こんな利権と欲すら実際のワールドカップの試合を見るとどうでも良くなる。

スポーツ凄いネ。


そして毎度お馴染みサッカー批評だ。

06
前号で「ワールドカップベスト4なんて無理!このままだと負けてサッカー冬の時代がきちゃうよ」的な特集を組んだからか、ワールドカップ直前に発売されながら「Jリーグ特集」。
でも、それがかえって腰の落ち着いた良い企画となっている。
各クラブの経営や取り組みを取り上げて、「地域密着」を真剣に考えよう、クラブの個性を作ろうという本になってる。ウチのフロント必読すべし!

そして、今回のトリを飾るのは・・「長崎県スポーツ史」
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長崎新聞で昭和57年から連載された「長崎県スポーツ史」という連載を連載終了後にまとめて再編纂されて刊行された「こんな無茶な企画はさすが長崎新聞!」「ローカルメディアの鏡」とでも呼ぶべき一冊。昭和63年に発行された本の厚さが5cmを超える・・ほとんどブリタニア百科事典な感じの厚さだ。競技関係者でもないのにこんなの持ってる奴はほとんどいないだろう。

内容はそのまま長崎の全スポーツ史を紐解いている。フットボールについても詳しく、長崎のフットボールの歴史についてViなどに書かせてもらった際に参考にさせてもらった。
ちなみに写真も抱負で

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前回の長崎国体の写真などを見ると・・「あっ、あなたは!!」という知り合いの人達が沢山掲載されている。前に写真の当事者達とこの話をして盛り上がった事も・・。

最近、忙しくて本を読むペースが落ちている。
なのに、昨日10冊新しく注文した。がんばれ俺。

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2010/02/09

フットボールの犬を読んでます。

ここで書いた通り、俺は地域リーグライターとしての宇都宮徹壱氏には共感を覚えた事はない。

文章力とか、取材力と言う点は素晴らしい。現場に常に顔を出す氏の姿勢はプロとして尊敬に値するし、誠実に向き合う姿勢も素晴らしいと思う。だが、実際に応援している地域リーグのサポーターから見るといつも、どこかでズレを感じさせているのも事実だ。

それは氏が「地域リーグの取材者」であって、「日本サッカーの中の地域リーグ」の視点に立っているのに対して、実際に地域リーグのサポーターをやっている者は「地域リーグの当事者」であって、「自分のチームを中心に据えた」視点に立っているからだろう。だが、マスメディアでは徹壱さんを「地域リーグ当事者の代弁者」のように扱う為に、どうしても「いや、言ってる事は俺達とちょっと違う」となってしまう。

俺が「地域リーグライターとしての彼」に共感を覚えないのはそういう理由だ。
だが、非常に優れたライターであるとは思っている

この人の本流は「日本サッカー界」や「世界のサッカー」といった大所高所からの発想や視点、着眼点の素晴らしさだと思う。

例えばこの記事
アジア杯予選イエメン戦における日本サッカーを取り巻く問題点を鋭く指摘し、読んだ時に心の中で喝采を送った程だし、最新書籍の「フットボールの犬」を現在読んでいるが、「よくぞ、こんなのを取り上げてくれた!」と思う、実に良い内容だ。地域リーグを語る時の、過剰な思い入れや演出が、日本サッカーやワールドサッカーを語る時には見られずグイグイ引き込まれる。

是非、これからも世界中を飛び回って、こういう素晴らしい記事を発信してもらいたい。

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2009/11/05

世界の書評から ~電光石火編~

さて、不定期に届けている世界の書評から。

今回はまずコレ。

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フットボール・ライフゼロ

まぁ、一応商業誌だけど、俺が出しているフリーペーパー 「プロビンチア」にも共通する 情念系の物好きが本当に好きで書いているようなシロモノ。同人誌的とでも言えばわかりやすいだろうか?引退したR・バッジォが今どうしてるか突撃で逢いに行く記事がVol.1の巻頭記事なのに、思いっきりチラッとしか逢えなかったり、引退した選手を追っかけたり・・。
読み物的には大衆迎合型でない感じ。パラパラっと読む感じの本。
記事的には「ロンドンぶらり大人の小旅行」が好き。イングランド3部に今在籍するかつての名門ミルウォールのスタジアムに行ったりするんだが、スタジアムの空気が結構生で伝わる。

この本が商業的成立するようになった日本はワールドカップで優勝が狙えると思う位に物好きの為の本だ。多分・・Vol.3は出ないと思う^^。

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世界のサッカー応援スタイル。

物凄くわかりやすいまんまなタイトルの本。ついにこういう分野が取り上げられる程、日本サッカーは来たかと・・。まぁ、内容的は少し海外サッカーに興味あったり、サポーターとかやってたりする人間なら知ってる事ばかりな内容。 料理や観光のガイド本みたいなもんで、最低でも応援について語りたかったり、知ったかしたければこの本の内容くらいは知ってないと同レベルで話も出来ないよって位の基本線。

サッカー本で最も多いのは技術本、次が個人本、次が戦術とクラブ経営の本。そしてついに応援やらサポーターにまでこういう範囲が広がったんだなぁ・・っという意味では良い本だと思う。

そして次は・・

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スポーツ・マネジメント 理論と実務

本来はそれ系の大学とかでテキストとして使われたりするであろう本。
内容はほとんどサッカークラブの経営を中心としており、あとは著者達が関わったプロ野球千葉ロッテの成功例などを扱ってマネジメントを述べている。

これを読めばプロクラブ経営というのが一般の会社経営と似て非なる物という事が判って一般の会社経営の感覚が通用しないと認識出来るだろう。こういった部分を理解しないと判らない事が多い。問題は・・これを本気で理解しながら読むと時間がかかる事。俺もノートとりながら3週間くらいかかった。時間のある学生さんなどじゃないと時間がなさそう。
(バッと読むだけなら2時間でも読めるけどね。)

非常に実務的・実用的な本で実例も多く挙げられているし具体的に書いてる。プロサッカークラブのフロントの本棚に一冊あって良い本だと思う。

最後はちょっとアレなのでボカす^^;

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サッ●ー△×

中身も見ずに買ってしまった。
サッカー本なら何でも良いと思った。
今は反省している。

多岐に渡ってフットボールを取り上げられているのだが・・ほんと思いつきの話を繋ぎ合わせてるだけで一貫性も何もない。ひらすらウルトラスニッポン賛美と自分の思い込みです。この著者、初心者やミーハーが大嫌いで憎悪すら抱いているのが文中からよく判る。

まぁ、内容はそんななのだらけでほとんど無い。
しかも最大の問題は商業出版レベルでは考えられらない程、文章が書けてない事。文頭が「ですます調」なのに、途中でいきなり「なのだ!」とか「なんである!」と口調は変わるし・・。

あんまりにも有り得ない文章力なので少し調べると・・この出版社は金を取って出版してやって、ついでにアマゾンにも一定期間並べてあげるという・・自費出版の亜流らしい。
買わされた方はたまったものじゃないが・・せめて金取ってるんなら文章の推敲くらいしてやれよって感じ。

まぁ、かつては「マガジン」と「ダイジェスト」以外にほとんど無かったフットボール本。
それがこれだけ多岐に渡って出るって事はフットボール文化が成熟してきているって事なのかもしれない。レベルはピンキリだけどね。

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2009/06/22

世界の書評から ~流浪編~

久々にサッカー関連の書評でも・・

っても最近は紹介したいような本を買ってないので3冊だけ。

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「オールナイトサッカー」
1年ほど前に出た「サッカー番長」の続編。
辛口と言われる解説者「杉山茂樹」氏の責任編集本第2弾。
内容はインタビューやら戦術やらマスコミやら雑多。紙面は一般では書きにくい批判やらが多め。日本サッカー界、ひいては今の目の前のサッカーの何が問題なのかピンとこない人にはヒントが散りばめられてて良さげ。

サッカー番長に比べて内容がバラエティに飛んでるので全作のような中だるみ感は少なく結構スラスラ読める。ただ、数字やデータによる裏付けより情念で作り上げられてる本なので好き嫌いは別れそう。

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「サッカーマルチ大辞典」
これは2002年頃に出た古い奴で古本屋で安く買った一冊。
内容はその名の通りのサッカー関連の辞典。まぁ、何か書くときのネタ本だったり、パラパラと斜め読み程度で読むのが普通の使い方。雑学系が好きな人はどうぞ。

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「サッカー批評」
色んな人が「今号は良いよ」っという一冊。
今回はJのクラブトップの取材、インタビューを変な脚色無しに並べ、J、クラブ、地方のそれぞれの現状をあぶり出す特集が秀逸。移籍金撤廃の問題点もしっかり取り上げているし、クラブチームとは、地域密着とはを考えさせてくれる。
是非、読んで欲しい。

つか、今時、批評も読まずにJやらサポーター、クラブ語る奴の方が少ないけどね。

特にレギュラーコーナーの「ゴール裏センチメンタル合唱団」と「母国130年の歴史から紐解く<私的・フットボール温故知新>」のは今の長崎のサポーターやらマスコミの問題に通じる絶好の記事。

オールナイトサッカー、サッカー批評、どちらも現在のマスコミに対して強い危機感を持っているのが見て取れる。
Jが出来てサポーターは明らかに成長した。選手達のレベルもあがった。実はマスコミだけが置いていかれているのかもしれない・・っと考えそうになった。

最近、本を馬鹿買いしていないので来月中に馬鹿買いをしようと思う。
これ読んどけってサッカー関連本とかあったら、ぜひコメントで紹介してほしい。

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2009/01/25

世界の書評から 番外編

今回の世界の書評からは番外編。
理由は簡単で俺はこの本の作成に関わった側で、記事を書いた側だから。
ですので、後書きのような物と思ってくれればっと思うので・・。

っという訳で今回取り上げるのは「vi:」

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確か、1番最初に話を貰ったのは九州リーグ終ってから。
俺の方から出した条件は一つだけで
編集には関わりたくない、単純にライターならやります」。

まぁ、その後の話し合いで
「九州リーグを書いて欲しい」
「長崎とサッカーとV・ファーレンのデータを出して欲しい」
「書店で販売するので余りコア寄りにならないように」

程度の注意事項や説明を受けながら最初の原稿は3週くらいで完成させたものの「批判が多すぎる(笑)」「チーム全体と同時に選手にもスポットを」と助言され修正。

って言うか、この頃は提出するデータが多すぎて、原稿の方には中々集中出来んでした。
やっとデータが出せたので原稿に集中して全面書き直し。地域決勝の最中も高知やら石垣島でハンモックに揺られながら原稿書き。

九州リーグの原稿は大枠はともかく中身はコア向けから一般の人、初めてV・VARENに接する人向けに3割程度修正、変更を受けつつ完成。
その後、更に選手の全データの依頼。

ちなみに、選手のデータで俺が把握出来てないデータは「2005年の九州社会人」だけ。それ以外は全てキッチリ記録してる。俺の手帳には大半の試合・・特に07年からの試合は全てフォーメーションまで記録されてる。全部、目で見て、周囲に確認してるので、「たまにミスのある公式記録」より正確です。これは絶対の自信。
そのデータを基にしてるので単純な計算間違いでもない限り、最も正確な記録集だと思う。

そのデータが終ったかなっと思ったら、年表の依頼。
あの年表、去年ナガサキスタンダードの年末号外「IWAMOTO NAGASAKI EDITION」を持ってる人なら判るだろうけど、あの年表のリサイクル。
山頭さんの
「あのままで終るには勿体無いので、本来の出版的には例外的だけど使いたい!」と高く評価した上でのお誘いを受けて、一部の人にしか判らない部分は除いて掲載する事で引き受ける。

俺の苦労はこの程度だけど、viの編集スタッフはスポンサーを集め、販路を確保し、レイアウトをデザインし、様々な調整を行い、山頭さんと仲野さんは何十万枚に及ぶ写真のチェックをやったり、あがってきた原稿の編集をやったり、連絡をやったり、インタビューやら写真撮りに行ったり、あらゆるライターと連絡を重ねたり、文章の推敲と校正をやったり、チームと話し合いしたり・・・。

発行1ヶ月前には「逃げたい」とこぼし、出来上がる頃も「もう編集なんてしたくない」と半分マジで笑って言ってた山頭さんが「vi:」の発売イベントでは「今度はJリーグ昇格本を作りたい」って言っちまうんだから・・それだけの手応えがこの本にはあるって事っすな。

どぞ、読んでみて下さいな。

そして、編集さん、お疲れ様でした。

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2008/12/24

世界の書評から~立志編~

世界の書評からがもう第何弾か自分でも判らないので、これからは以後適当にサブタイトルを付ける事にする。今回は立志編。別に意味はなく単なる思い付き。

では、まず1冊目。

A1

サッカーダイジェスト増刊の「2008 Jリーグ総集編」

単純に今年のJリーグのデータ系を全部まとめた本。
A2

普通に読むと言うより、データを見る感じの本。記録用に買っておくのも手。
数字やフォーメーションが苦じゃない人はダラダラ眺めるだけでも楽しい。
読む本ではないっと割り切れば中々OK。

A3

随分と昔から買い続けてる報知 高校サッカー。まぁ、この時期の定番ですな。
A4   

中身もレイアウトも例年とまったく変わらず。完全なデータガイドブックです。
安心出来ますが、本としてはハッキリ言えば結構詳細なプログラムです。

これに対して新風を吹き込むのが

A5

エルゴラの高校サッカー年鑑

A6

報知が硬軟(硬データが身長体重、生年月日、前所属といったデータ。軟データが選手のアダ名や好きな選手といったデータ) 両方のデータを掲載するのに対して、エルゴラは最低限の硬データだけを掲載し、残りはチーム状況や解説の文章に当てる手法。

データ集、記録集である報知に比べて解説本に近く判りやすい。
初めて買う人は、エルゴラ版がお薦め。詳しくデータを知りたくなったら報知をどうぞって感じ。値段も写真も多く紙質も良い報知が920円なのに対して、写真少な目、紙質で落ちるも380円と半額以下。気になるなら買っとけって感じでGood!!

そして、昨日買おうと思ったらメトロで売り切れだったので、今日、ケーキ屋ケンちゃんの所でケーキ買うついでに紀伊国屋書店で買った・・

A7

おなじみサッカー批評

相変わらず、日本サッカーの検証から、クラブ経営、リーグの在り方、女子サッカー、ドーピングまで幅広く扱うも・・今回の号は どの特集も物足りない。手を広げすぎて手が回らなかった感じ。特に「クラブ経営から見るJリーグの今と未来」は完全に寸足らずで勿体無い。あと、以前は「挑戦」とか言って(独特の言い回しで真意を語る)オシムのインタビューを出来るだけ原文のままに掲載したのに、今号では思いっきり、編集して掲載してるようで残念。
何か、最近表紙の写真とキャッチコピーだけがやたらと過激で、内容は読んでみるとそれ程厳しい事書いてないってパターンが多いような・・。

そんな感じの4冊でした。

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